ナースやすこの健康プラス
大麻だのドーピングだの。話の交通整理ができてない
大相撲界が、ゴタゴタしましたねぇ。
一応、理事長が辞任、尿から大麻成分が検出された2人の力士が解雇ということで決着したみたいですが。

今回は、話、長いよ。(^^;;

実は私、少し前まで反ドーピング関係の仕事をしてまして。
今回の一連の話で、報道にいちいち「なんか違うぞー」ってつっこんでました。
ま、私もあちこちで報道されているニュースをつらつら見ているだけなので、本当のところはどうなんだろ、というところもあるんですが。

今回の“精密検査”では、どうやら世界アンチドーピング機構(WADA)で定められたキットを使って検体を検査機関に出したようですね。
「A検体とB検体がある」って言ってるし。

その一方で相撲協会は、ドーピングのチェックのための検査ではない(大麻の成分を検査するための検査)から、手続きは正式なドーピングチェックのためのものとは違う、と言っているようで。

どこがどう違うのか、そこはわかりませんけど、露鵬側の弁護士が「採尿の手続きが信用できないので、その尿で検査しても意味がない」といった主旨のことを言っているのを見ると、何か採尿のところで、力士に疑問を持たせるような要素があったのかもしれない。

正式にはね、おしっこをとるカップ(滅菌済みで個別包装されている)と、とった尿を検査機関に送るためのビン(AとBの2本)がセットになっているキットがあって、選手は、それぞれ複数ある中から自分で選ぶんです。自分で選べず、「これで採れ、これに入れろ」と容器を渡されて、もしその中に何か混入されていたりしたら、選手は陥れられてしまうからね。

おしっこをカップに採るときは、確かに本人から出ているということを確認する人(同性のスタッフ)がつきます。採尿の一連の過程で、そのスタッフは、採尿カップには一切触れませんし、決して預かったりしません。だって、選手からちょっと預かったスキにそのスタッフが何かを混入したりしたら、選手は陥れられてしまうから。

採ったおしっこは、選手が自分でA(50cc以上)とB(25cc以上)のピンに分け入れます。そう、基本的には全部自分でやるの。で、そのビンには特殊なキャップがついていて、一度閉めると、壊さない限りぜったいに外れない。だから、現場で封入を確認して、検査機関で開けたときにキャップが壊れていたら、その検体は汚染されたということで、その検体での検査はしない。これも、選手を守るためのシステムね。

採尿からビンの封入まで、確かに誰にも妨害されず、ちゃんと自分の尿が採れたと認めた場合は、選手は「正式な手続きに基づいて作業された」ということを認めるサインをします。で、その書類の写しをもらって保管しておく。

よって、この一連の手続きがちゃんとできていれば、検査機関で検査された尿は自分のものであると認めざるを得ないわけで、結果が出てから「それは自分の尿じゃない!」と主張することはできないわけ。

検査機関には、A・Bの検体ビンと、採尿時間などの必要事項と検体番号だけが書かれた書類が届く。この書類には、選手の氏名やゼッケン番号、種目など、本人を特定できるものは一切書かれてない。これも、本人の知らないところで検査時に何か操作をされたりしないように、選手を守るためのシステムね。

露鵬側が「あんな手続きで採尿した検体じゃ意味がない」と主張しているとすれば、この一連の正式な手続きをしなかったということなのかな。だとしたら、一部のコメンテーターや元文部科学副大臣さんなんかが「ドーピングチェックの検査は正式で精度は正確だから、それでクロと出たらクロ」と言っているのも、根本的なところで「?」ということになるんだよねぇ。

要するに、どういう手順で尿を採ったんだろう。そのあたり、どこも報道してくれてないんだよね。大事なことだと思うんだけど。

で、A検体で陽性と出たら、B検体を調べるとかなんとかと言っているところの話。
普通、A検体で陽性と出たら、基本的にはクロ。ただ、選手本人がもう一度B検体で調べてほしい場合は、B検体を調べることもできる(本人も立ち会える)..という、これは選手の権利。基本的には同じ検体だから、同じ結果が出るはずなんだけどね。
基本的にB検体を検査するときは、本人(代理人もあるのかな)立ち会いのもとで検査するんだと思う。つまり、自分の検体ビン(番号で確認できる)が、確かにキャップが壊れたりしていなくて、それを目の前で開けられて、検査にかけられる様子を見ることができる、その過程でも誰も何も混入していないということを確認できる、ということなんだよね。

どこかのテレビが、「A検体で陽性と出たら、B検体を検査する」って言ってたけど、それはちょっと違う。本人が申し立てをしなければ、B検体は検査しないはずだよ。

もともと相撲協会は、まだアンチドーピングの体制を整えていないとか。でも、委員の先生がいるから、今回はその手法やキットと検査機関(この検査機関もぜったい信用できるよ)を使ったのかな。でも、手続きはちょっと省略したのか、何か違うことをしたのか..。

だとしたら、少なくともこの検査はこういう検査だよ、今、尿はこうやって採取したよね、だからこれは確かに君の尿だよね、みたいな、少なくとも口頭ででも、力士やその立会人などと確認していたのかどうか。それもしないでやったとしたら、それは力士の権利をきちんと守っていないことにもなると思うんだよねぇ。

それに、検査結果は検査機関からどこに届いて、どこがその結果を検討して何らかの決定を下し、誰がどのタイミングで選手への処分やマスコミへの情報開示をするのかとか、そういう体制も整ってなかったみたいに見える。
そんなんじゃ、力士の権利は守ってあげられないんじゃないか。

まぁ、今回のケースでは、大麻の成分が尿から高濃度で出たということで、それはクロなんだと思うんですね。だから今回の処分は、あれでいいんだろうと思う。
でも、少なくとも相撲協会は今後、ちゃんとアンチドーピングのシステムを導入して、きちんと力士の権利を守って行かないといけないと思う。

だいたい、アンチドーピングの活動を推進しているのは、ほかならぬ、日本大相撲協会を所管する文部科学省なんだからさ。しっかりやってもらわないとね。
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by tiger_yz | 2008-09-09 00:18 | 雑感 | Comments(2)
Commented at 2010-03-13 10:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tiger_yz at 2010-03-16 08:01
やすこです。ご訪問いただき、ありがとうございます。
申し訳ありません。大麻については、詳しいことは存じませんで。お役に立てなくてすいません。