ナースやすこの健康プラス
何を人の死とするかは自分自身の意志
Excite エキサイト : 社会ニュース
2009年6月18日 20時20分
臓器移植法改正案、A案を可決—衆院


臓器移植法の改正案が衆院で可決されたのを受け、
ワイドショーなどでも関連の報道があちこちでなされてますね。
その中ですごく気になったものが..

某局の番組内で、一方では臓器移植を待つ女児とその家族を、
それに対比させる形で、
脳死状態と診断されたものの人工呼吸器をつけて生きている子どもを自宅で献身的に介護している家族をレポートしてました。

このレポートの構成にはものすごい違和感を感じました。
この2つのご家族の様子は、「対比させる=180度反対に位置するものとしてとりあげる」ものではない! と、私は思います。

今回の臓器移植法の改正案では、「脳死を人の死と認める」としていますが、
これは「脳死状態になったらもう死んでいるんですよ」と法律で決まった(参院通過はまだですが)という意味ではありません!

「脳死は人の死だ」と考える人とそのご家族がいて、
その本人が不幸にも脳死状態に陥ったときに、
本人の意志を尊重して、家族が脳死判定を医師に依頼し、
脳死と判定され、臓器を提供する..

そういう意志と行動をする権利が認められるということ。

その一方で、「脳死は人の死とは考えない」という人とそのご家族がいて、
脳死状態かも知れないと言われても、「いいえ、心臓が止まるまで生きています」
と宣言することも、100%認められ、保証されるのです。

この法案が参院を通ったら、全ての人がしなければならないと思うことが3つ。

1つは、脳死や心臓死について、基本的なことをちゃんと勉強すること。
世間話で「脳死でも生き返ることがあるらしいよ」なんて話を小耳にはさんだから..
などという程度の情報で、自分の考えを決めてはダメ。

たとえばWikipediaによれば、
脳死とは、「脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に(もう元には戻らない)廃絶した状態」としています(一部改変)。
つまり「脳死から生き返ることはない」わけです。
生き返ったとしたら、それは脳死ではないんですね。

2つめは、脳死について勉強してみて、家族などとも話し合った上で、
自分はどう考えるか、意志決定すること。
そしてその意志は、臓器提供意思カードに記入し、
家族にも伝えておくこと。
「私は脳死を自分の死としない。臓器提供もしない」という人も、
その意志をちゃんと示すことが必要です。

第3に、心臓死を人の死と考えるか、脳死を人の死と考えるかという
個々の意志や心情、思いは、100%それを肯定すること。
つまり、他人がとやかく言う権利はないし、本人の意志は完璧に尊重されるべきなの。

自分の意志を尊重してほしければ、自分も他人の意志を尊重しなくちゃね。

病院の医師だって、本人やご家族が脳死判定や臓器提供を望まないのに
「臓器移植のためにぜひ!!」などとゴリ押しすることはぜったいにない。
「臓器提供をしたい」という申し出があれば、それをするということ。

だから、先の「脳死状態と診断されている子どもを介護して生活しているご家族」も、
100%肯定されるし、それは尊いことであり、暖かい家族の気持ちにあふれたものだと尊重されるべきなんですね。

ちなみに私は「脳死を人の死」と考えてます。
臓器提供意思表示カードも持ってるし、家族にもそれを伝えてある。

命をどう考えるかは、個々の気持ちやポリシー、人の死に直面した経験や、
宗教、文化などが複雑にからんだ問題です。
でも難しく考えずに、シンプルに自分の心が何と言っているかに耳を傾けてみましょう。

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梅雨..ですかねぇ。関東はまだそんなに雨が降ってない気が.. 夏に水不足にならないか心配です。
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by tiger_yz | 2009-06-19 10:26 | 元気・健康・キレイでいる方法 | Comments(2)
Commented by まのみやゆな at 2009-06-22 17:24 x
やすこさんの記事、同感です。
自分にとっての“死”というものへの定義や考えを、この機会に個々が考えていく必要がありますね。
わたしもやすこさんと同じく「脳死はヒトの死」と考えている者のひとりです。臓器提供カードもすべて記入して、夫にもその旨伝えています。
いつ何があっても、自分の意思がきちんと伝わるような形にしておくというのも、必要なことだなぁと感じています。
いつも勉強になる記事をありがとうございます。また遊びにきますね!
Commented by nao at 2009-06-22 18:41 x
昨年観た映画「闇の子供」が未だに頭の片隅から消えません。
闇での臓器移植・・・。
いままでいつかはしなくちゃ!って思っていた臓器提供カードにしっかり記入しようと思います。